用語集

世界観づくり(ワールドビルディング)

地理、歴史、文化、ルール、内側の論理まで含めて、架空の世界をつくり上げていく作業。

最終更新

世界観づくりとは、目の前の筋に必要なものを超えて広がる、しっかりと描き込まれた架空の世界を創り出す技術のことです。地理、政治体制、宗教、言語、経済、生態系、文化の規範など、物語に場所の感覚と奥行きを与えるものをつくり上げていく作業を含みます。効果的な世界観づくりは、いくつもの層で働きます。読者が物語を通して直接体験する表の層と、作者が一貫性と豊かさを保つために築く、より深い土台の層です。目指すのは、あらゆる細部をページに詰め込むことではなく、人の暮らしが息づいていると感じられるほど徹底して想像された世界をつくることです。作者は氷山の一角だけを見せ、水面下に沈んだ大きな塊が、構造の確かさを支えるのです。

名作として名高い作品のなかには、何よりもその世界観づくりによって記憶されているものがあります。J・R・R・トールキンの『指輪物語』は、物語の下に、いくつもの言語、神話、何千年もの歴史を備え、ファンタジーの世界観づくりの基準を打ち立てました。フランク・ハーバートの『デューン 砂の惑星』は、生態系と宗教と政治の陰謀によってかたちづくられた宇宙を築き、砂漠の惑星アラキスを、地球上のどんな場所にも劣らないほど本物らしく感じさせています。映画では、リドリー・スコットの『ブレードランナー』が、雨に濡れた通りやネオンサインの一つひとつまでが、観客が信じられる世界の一部となるほど細部まで作り込まれた、ディストピアのロサンゼルスを創り出しました。これらの作品が成功しているのは、その世界の内側の筋が通っていると感じられるからです。世界を支配するルールがはっきりしていて、そのルールがもたらす結果が、信じられる形で描かれているのです。

自分の物語のために世界観をつくるときは、人物と筋に直接かかわる要素から始めて、そこから外側へと広げていきましょう。人物たちは何を食べ、どうやって生計を立て、何を信じ、どんな制度に暮らしを左右されているのか、と問いかけてみてください。定めた細部を記録しておく参照用の資料、つまり世界観設定集をつくり、物語全体の一貫性を保ちましょう。読者にすべてを説明したくなる誘惑には負けないでください。その代わりに、世界観の細部を、行動や会話や人物の観察のなかに自然に織り込んでいきましょう。最良の架空の世界は、物語が始まる前から存在していて、物語が終わったあとも続いていくように感じられるものです。よくできた世界は、ただの背景にとどまりません。人物たちが向き合う葛藤や動機、そして手にできる可能性そのものを、かたちづくっていくのです。

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