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世界観設定資料テンプレート

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世界観設定資料とは、架空の世界に存在するすべてのものについての参照資料です。何百ページにもわたって、何度稿を重ねても、(シリーズを書いているなら)何冊にまたがっても物語をぶれさせない、ただひとつの確かな情報源です。これがないと、章が変わるたびに人物の瞳の色が変わったり、通貨の仕組みが自己矛盾したり、魔法体系の決まりがそのときのプロットの都合で変わったりしてしまいます。

このテンプレートはファンタジー、SF、そのほかの空想的な小説のために作っていますが、世界の大事な要素を作りこむ物語なら、どんな作品にも役立ちます。時代考証の細部を管理する歴史小説の書き手、架空の諜報機関を作るスリラーの書き手、シリーズを通して繰り返し登場する小さな町を作るロマンスの書き手。誰にとっても、整理された参照資料があると助けになります。

書き始める前に、すべてのセクションを埋める必要はありません。原稿と並行して世界観設定資料を作り、物語が求めるのに合わせて細部を書き足していく書き手もたくさんいます。このテンプレートは、すべてのものに置き場所を用意するためのものです。書いている途中で何かを確かめたくなったとき、どこを見ればいいのかが正確にわかります。

セクション1:世界の概要

まずは全体像から始めましょう。このセクションでは世界の根本的な性質を示し、この資料を開く人(未来の自分も含めて)が全体をつかめるようにします。

世界のコンセプト

世界を2、3文で書きます。何がこの世界を際立たせているのか。現実の世界や、同じジャンルのほかの架空の世界と、この世界を分ける中心の仕掛けは何か。これは物語のログラインではなく、世界そのもののログラインです。

トーンと美意識

この世界はどんな感触でしょうか。荒々しく地に足がついているのか、神話的で壮大なのか。技術が洗練されているのか、錆びついていてありあわせなのか。世界のトーンは、建築から会話文まであらゆるものに影響します。はっきり言葉にしておけば、ぶれずに保ちやすくなります。

着想のもとと手がかり

世界のもとになった現実の文化、歴史上の時代、既存の架空の世界、視覚的な資料を挙げます。真似をするためではなく、立ち返る目印を持つためです。「政治の仕組みはルネサンス期イタリアの都市国家から、魔法体系は西アフリカの霊的な伝統から、見た目の美意識はアール・ヌーヴォー建築から着想を得ている」。こうした手がかりがあれば、細部に没頭しているときにも世界の一貫性を保てます。

セクション2:地理と環境

物理的な世界は、交易路、文化の境目、軍事戦略、日々の暮らしなど、ほかのあらゆるものを形づくります。書き始める前に地図を描く必要はありません(描くと便利だと感じる書き手は多いのですが)。それでも、世界の地理の大まかなところは把握しておく必要があります。

主な地域と目印になる場所

世界の大事な場所を挙げます。それぞれについて、気候、地形、天然資源、戦略上の重要性を書きとめましょう。どの地域が豊かで、それはなぜか。どの地域が奪い合われているのか。人々を隔て、文化の違いを生む自然の障壁(山脈、海、砂漠)はどこにあるのか。

気候と季節

その世界には地球のような四季があるのか、独自の周期があるのか。気候は、農業、服装、建築、移住、戦争に影響します。物語がまる1年にわたるなら、雨季がいつ来るのか、川がいつ凍るのかを知っておけば、それが自然とプロットの骨組みになります。

植物と動物

世界に架空の植物や動物がいるなら、ここに一覧にしておきます。日々の暮らし、経済、プロットにかかわるものに絞りましょう。世界観づくりでよくある失敗は、物語に一度も出てこない生き物を何十種類も作ってしまうことです。選びましょう。人々が食べる植物、乗ったり恐れたりする動物、貴重な素材を生み出す生き物。大切なのはそういうものです。

地図と距離

大まかな地理のスケッチだけでも、つじつまの誤りを防げます。その世界で使える交通手段で、主な場所どうしの移動にどれだけかかるかを書きとめましょう。馬で移動するなら、無理のないペースで100マイル(約160km)進むのに、おおよそ4〜5日かかります。鉄道や飛行船があるなら、それに合わせて調整します。距離がちぐはぐだと、読者は気づきます。

セクション3:歴史と年表

世界に重みを与えるのは歴史です。そのすべてを物語に出す必要はありません。むしろ、ほとんどは出すべきではありません。それでも、書き手が知っていれば、1ページ目より前から存在していたように感じられる世界を描けます。

創世神話や起源

この世界の人々は、世界がどう始まったと信じているのでしょうか。文字どおりの宇宙の起源(神々が混沌から世界を形づくった)の場合もあれば、歴史上の起源(三百年前に植民船が到着した)の場合もあります。どちらであっても、起源の物語は、生きる目的、道徳、運命についての、その文化の最も深いところにある前提を形づくります。

主な時代区分

世界の歴史を、大きな時代に分けます。それぞれについて、時代を決定づけた出来事、支配的な勢力、文化の変化を書きとめます。すべての時代を細かく描く必要はありません。人物たちが暮らす世界を直接形づくっている時代に絞りましょう。

歴史上の大事な出来事

人物たちが学校で(あるいは炉ばたで、口伝えで)教わったはずの出来事を挙げます。戦争、疫病、発見、革命、天災。それぞれについて、政治や社会の秩序をどう変えたのか、その影響が物語の現在にもまだ残っているのかを書きとめましょう。

年表

最も大事な出来事の年表を、時系列で作ります。生きている人物の生年と、プロットにかかわる最近の出来事の日付も入れましょう。この年表が、つじつまを守る安全装置になります。人物が「戦争が終わったのは20年前だ」と言ったとき、年表と照らし合わせて計算が合っているかを確かめられます。

セクション4:文化と社会

文化とは、人々の集団が暮らしを組み立て、価値観を表し、ほかの集団と自分たちを区別するやり方です。よく作りこまれた文化は自然に感じられます。その習慣、信仰、対立が、地理、歴史、経済の条件から筋道立てて育っているからです。

主な文化集団

世界の大事な文化ごとに、次の項目をまとめます。

  • 社会の仕組み:社会はどう組み立てられていますか?身分制、階級による上下関係、平等な仕組み、部族の組織?誰が権力を持ち、権力はどう受け渡されるのか。
  • 価値観と規範:この文化は何を尊びますか?名誉、知識、富、信心、個人の自由、集団の和?どんなふるまいが称えられ、何が禁忌なのか。
  • 日々の暮らし:この文化に生きる普通の人の、ある一日はどんなものですか?何を食べ、何を着て、どんな仕事をし、余暇をどう過ごすのか。
  • 芸術と表現:どんな美術、音楽、文学、芸能が大切にされていますか?芸術を見れば、その文化が何を美しく、大切で、残す価値があると考えているのかがわかります。
  • 習慣と儀式:誕生の儀礼、成人の儀式、結婚の習わし、弔いのしかた、宗教の行事、季節の祭り。文化が目に見えるかたちをとり、劇的になる瞬間です。

文化どうしの関係

世界のさまざまな文化は、互いにどうかかわっていますか?交易、同盟、対抗意識、偏見、共有する歴史、決着していない争い。文化どうしの摩擦は物語の対立の豊かな源ですが、気まぐれな敵意ではなく、歴史や経済の具体的な原因に根ざしている必要があります。

宗教、精神性、信仰の体系

宗教は、道徳、日々の暮らし、芸術、争い、そして人々が苦しみや死をどう受け止めるかを形づくるので、独立して扱う価値があります。完成された神学を作る必要はありませんが、人物たちが何を信じているのか、そして社会が何を神聖なもの、冒涜的なもの、異端、口にしてはならないものとして扱っているのかは、知っておく必要があります。

  • 宇宙観:信者たちは、死後に何が起きると考えていますか?世界はどこから来たのか。神はひとりか、多くいるのか、いないのか、それとももっと不思議な何かがあるのか。
  • 実践:信仰は日々どう表されますか?祈り、生贄、瞑想、巡礼、食の戒律、聖なる日、聖なる品?
  • 組織:聖職者の位階、神殿、修道会、神学の学派はありますか?それらは政治的な力を持っていますか?誰が十分の一税を集めるのか。
  • 異端と疑い:どんな信仰が危険とみなされ、それを抱く人はどうなるのか。その社会の異端を見れば、社会が何を最も恐れているのかがわかります。
  • 民間信仰:公式の宗教がある世界でも、普通の人々は、教義からはずれた迷信、家ごとのならわし、受け継がれた習慣を持っていることがよくあります。最も豊かな手ざわりがあるのは、ここです。

役に立つ練習があります。それぞれの文化の普通の人を道で呼び止めて「私たちはなぜここにいるのか」と尋ねたら、どんな答えが返ってくるかを一行で書いてみましょう。その答えは、百ページの神学よりも多くのことを世界について教えてくれます。

セクション5:統治と政治

政治の仕組みは、誰が権力を持ち、それをどう手に入れ、誰かがそれに挑んだときに何が起きるのかを決めます。あからさまに政治を描かない物語でも、人物の選択肢と制約を形づくる政治の仕組みのなかに存在しています。

統治の仕組み

主な政治勢力ごとに、統治の形、継承や選挙の手順、権力の均衡(あるいは不均衡)を書きます。正式な仕組みと、非公式な仕組みの両方を書きとめましょう。表向きの命令系統と、実際の決定が下される裏の経路です。

いまの政治状況

物語が始まる時点で、どんな政治的緊張が動いていますか?派閥、同盟、領土争い、継承の危機、改革運動。政治状況は、人物たちが気づいていようといまいと、その上で勝負をしている盤面です。

法と裁き

法はどう作られ、どう執行されるのでしょうか。何が罪とされ、どんな罰があるのか。裁きは階級や文化を問わず平等に下されるのか、それとも選り好みがあるのか。法の仕組みからは、その社会が掲げる価値観と本当の価値観がわかり、そのふたつのずれは、いつでも面白い題材になります。

セクション6:魔法、技術、そのほかの架空の仕組み

世界に魔法や高度な技術など、架空の要素があるなら、決まりごとが必要です。際限がなく、何でもありの力は、物語から緊張を奪います。読者はありえないことは受け入れますが、つじつまの合わないことは受け入れません。

決まりごとと制約

その仕組みに何ができて、何ができないのかを決めましょう。ブランドン・サンダースンの「魔法の第一法則」は、作者が魔法で問題を解決できる度合いは、読者がその魔法をどれだけ理解しているかに正比例する、というものです。読者が決まりごとを理解していなければ、魔法でクライマックスを決着させると反則に感じられてしまいます。決まりごとをはっきり書いておきましょう。何を代償にするのか、何ができないのか、失敗すると何が起きるのか。

力の源と起源

この力はどこから来るのでしょうか。生まれつきのものか、学んで身につけるものか、外の力から授かるものか、技術から生まれるものか。源によって、誰がその力を手にできるか、社会にどんな意味を持つかが変わります。魔法が血筋で受け継がれる世界と、誰でも学べる世界とでは、社会の力学が違ってきます。

社会への影響

この仕組みは、それを使う社会にどう影響していますか?治癒魔法のある世界では、けがや死に対する考え方が違います。光より速く移動できる世界は、相対論の制約に縛られた世界とは経済も政治も違います。架空の要素は、それが触れる世界のあらゆる面に波紋を広げるべきです。

使い手と組織

誰がこの仕組みを使い、どう組織されていますか?ギルド、学院、聖職者の集団、軍の部隊、ひとりで活動する使い手?社会は使い手たちを、敬意、恐れ、疑い、無関心のどれで見ているのか。

セクション7:経済と交易

お金と資源は、対立を生み、人物を動かし、社会の上下関係を形づくります。世界の経済は複雑である必要はありませんが、筋が通っている必要があります。

  • 通貨と交易の仕組み:交換の手段は何ですか?硬貨、紙幣、物々交換、電子的なクレジット、恩の貸し借り、魔法の力?地域どうしの交易はどう行われているのか。
  • 大切な資源と産業:最も価値のある資源は何で、誰がそれを握っているのか。資源の乏しさは、世界観づくりで最も頼りになる対立の源のひとつです。
  • 富の分かれ方:誰が豊かで誰が貧しいのか、それはなぜか。経済の格差は社会のあらゆる層に緊張を生み、どの階層の人物にも動機を与えます。

セクション8:言語と名づけの決まり

言語をまるごと作る必要はありません(作りたいなら別ですが)。それでも、名づけの決まりは一貫させる必要があります。人、場所、食べ物、文化的な概念の名前は、ひとつの文化のなかでは同じ言語の伝統から来ているように感じられ、文化が違えばはっきり違って感じられるようにしましょう。

  • 名づけのパターン:文化ごとに、音の響き、音節の組み立て、名づけの伝統をまとめます。ある文化が硬い子音と短い音節を使い、別の文化が流れるような母音と長めの言葉を使っていれば、読者は説明されなくても文化の違いを感じ取ります(カタカナで書く名前でも、漢字やひらがなで書く名前でも同じです)。
  • 大事な用語と用語集:物語に出てくる造語、称号、概念を一覧にします。読み方がわかりにくい言葉には、読み方(ルビ)も添えましょう。このセクションは、執筆中の自分のための参照資料にもなり、読者向けの巻末資料にもなりえます。

このテンプレートを自分の作品に合わせるには

  • 現実とは別の世界を舞台にしたファンタジーの場合:すべてのセクションが当てはまります。プロットに最も直接かかわるセクションを優先しつつ、ほかのセクションも一貫性を保つのに必要なだけ作りこみましょう。
  • SFの場合:技術と社会への影響(セクション6)を、もっと掘り下げる必要があるかもしれません。魔法のセクションは、高度な技術、異星の生物学、理論物理学向けに読み替えられます。
  • アーバン・ファンタジーや近未来ものの場合:現実の世界のほとんどはそのまま使えます。違うところ(隠された魔法の社会、最近の技術の変化、歴史の分岐点)に焦点を当て、その違いがどう波紋を広げるのかを書きとめましょう。
  • 歴史小説の場合:このテンプレートを、調べもののための資料として使い直しましょう。架空の要素を歴史的な事実に置き換え、正確に保つべき細部を管理します。
  • シリーズ作品の場合:この資料を、育ち続ける参照資料として扱いましょう。一冊書き終えるごとに更新します。刊行された本文に出てきた(したがって変えられない)細部と、まだ変えられる細部を区別して印をつけておきましょう。
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