場面(シーン)
一つの時間と場所で起こる劇的な行動のまとまり。物語を組み立てる基本の部品です。
最終更新場面とは物語を語るうえでの基本の単位で、一つの時間、一つの場所で切れ目なく続く行動のまとまりであり、はっきりとした目的と内部の構造をもっています。文が集まって段落になり、段落が集まって章になるように、場面が集まって物語になります。一つひとつの場面は、それ自体が始まり、中ほど、終わりをもつ小さな物語として働き、どの場面も、物語を始まりのときとは違う状態にして終わるべきです。場面の終わりまでに、筋であれ、人物についての理解であれ、読者の知っていることであれ、何一つ変わっていないなら、その場面には置かれているだけの意味がありません。
場面はおおむね、筋を進める、人物を明かす、物語の世界を築く、という三つの働きのうち一つ以上を担います。最も無駄のない場面は、この三つを同時に果たします。ドワイト・スウェインはTechniques of the Selling Writer(売れる作家の技法)のなかで、場面は「目標、葛藤、災難」という型に従うと唱えました。人物は何かを求めて場面に入り、それを阻むものにぶつかり、場面はたいてい予想よりも悪い結果で終わります。災難が起きるたびに人物は態勢を立て直し、新たな手を打たざるをえなくなるため、この構造が前へ進む勢いを生み、読者を次の場面へと引っぱっていくのです。
場面の単位で考えられるようになることは、テンポと構成をうまく扱うために欠かせません。場面の区切りがはっきりしない、切れ目のない語りが長く続くと読者は疲れてしまいますし、ごく短い場面がめまぐるしく続くと、ばらばらで息の詰まる印象になります。場面の長さのリズムは、文の長さのリズムと同じように、文章の音楽を生み出します。推敲するときは、三つの問いで一つひとつの場面を見直しましょう。視点人物はここで何を求めているのか。何がそれを阻んでいるのか。そして、この場面は物語の流れをどう変えるのか。