デヌーマン(結び)
決着のあとに置かれる最後のまとめ。新しい日常を示し、残った糸を結びます。
最終更新デヌーマン(フランス語で「結び目をほどくこと」の意)とは、中心となる葛藤に決着がついたあとの、物語の本当の終わりの部分です。出来事のあとの暮らしがどうなったのかを見せます。人間関係が結び直され、学んだことが身につき、物語の出来事によって世界が新しく形を変えている様子です。デヌーマンがもたらすのは、筋の上での決着ではなく、気持ちの上での区切りです。
十九年後の9と3/4番線を舞台にした『ハリー・ポッターと死の秘宝』のエピローグは、典型的なデヌーマンです。新たな葛藤は何も加えず、穏やかに暮らす人物たちの姿を見せるだけです。同じように、『指輪物語』の最後の場面、ホビットたちがホビット庄に帰り、サムが家庭を築いて落ち着くくだりは、長く引き延ばされたデヌーマンとして働いています。
どんな物語にもデヌーマンが必要なわけではありません。スリラーや純文学は、クライマックスのすぐあとで終わり、その後のことは読者の想像に委ねることがよくあります。それでも、うまく使えば、デヌーマンは最後までついてきてくれた読者に、最後の感情のビートで報いることができます。下手に使えば、長居しすぎて歓迎されなくなった、自己満足のエピローグになってしまいます。