プロット(筋)
因果でつながった出来事の連なりで、物語の背骨をなすもの。原因と結果の論理があることで、ただの時系列と区別されます。
最終更新プロットとは、因果でつながった出来事の連なりであり、物語を前へ進める勢いを生み出すものです。E・M・フォースターは『小説の諸相』のなかで、古典となった区別を示しました。「王が死に、それから王妃が死んだ」はストーリー、つまり出来事を時間の順に並べたものです。「王が死に、それから王妃が悲しみのあまり死んだ」はプロットです。二つ目の出来事が、一つ目の出来事によって引き起こされているからです。プロットとは、単に何が起こるかではありません。ある出来事がなぜ別の出来事のせいで起こるのか、ということです。それによって原因と結果の鎖が生まれ、物語は行き当たりばったりではなく、意味をもって進んでいるように感じられるのです。
ソポクレスの『オイディプス王』のように緊密に組み立てられた作品は、ほとんど機械仕掛けのような因果から力を得ています。一つの発覚が次の発覚を呼び、結末は衝撃的であると同時に、避けられないものに感じられます。対照的に、クエンティン・タランティーノの『パルプ・フィクション』は、プロットを時系列どおりでない順序に切り分けて並べ、観客に因果の鎖を自分で組み立て直すよう挑みます。どちらのやり方も、プロットとは見せる順番のことではなく、出来事をつなぐ根底の論理のことだと示しています。因果関係さえ筋が通っていれば、時系列をばらばらにしても、物語は強いプロットをもちうるのです。
プロットを、出来事の単なる並びではなく、因果の構造として理解することは、書き手が手にできる最も実践的な道具の一つです。原稿がどこへ向かっているのかわからないと感じるとき、問題はほぼ必ず因果の弱さにあります。いろいろなことが起きてはいても、それらが互いのせいで起きてはいないのです。一つひとつの出来事について、それを取り除いたらクライマックスへ至る鎖が切れてしまうかを問うてみましょう。切れないのなら、その出来事は本当の意味ではプロットの一部ではありません。主な場面がどれも、前の出来事の結果であると同時に、次の出来事の原因にもなっているようにすることで、プロットを強くしていきましょう。