引き立て役(フォイル)
主人公と対照をなすことで、主人公の特徴や価値観、欠点を際立たせる人物。
最終更新引き立て役(フォイル)とは、主人公(あるいは別の主要人物)と対照的な性質をもつことで、互いの姿をくっきりと浮かび上がらせる人物です。引き立て役は敵である必要はありません。味方でも、きょうだいでも、ライバルでもかまいません。その役割は比較にあります。主人公が「そうではないもの」を見せることで、主人公が「何者であるか」をよりはっきりさせるのです。
『ハリー・ポッター』のドラコ・マルフォイは、ハリーの引き立て役です。二人とも魔法の世界に足を踏み入れる少年ですが、ハリーが勇気と友情を選ぶのに対し、ドラコは生まれの特権と残酷さに流れていきます。「シャーロック・ホームズ」シリーズでは、ワトソンの温かさ、常識、人の気持ちを察する力が、ホームズの天才ぶり、冷たさ、社会性のなさと対照をなしています。互いがいることで、どちらの人物もいっそう鮮やかになります。
効果的な引き立て役は、比較に意味が生まれるだけの共通点を主人公と分け合っています。共通点が何もない二人は、比べる土台がないため引き立て役にはなりえません。最も強い対照関係は、「一歩間違えば、自分もああなっていた」と感じさせます。状況が違えば、主人公のほうが引き立て役の姿になっていたかもしれないと暗示するのです。