プロローグ(序章)
本筋の前に置かれる導入部。過去の出来事を伝えたり、作品の調子を定めたり、本筋の時間の外にある出来事を見せたりします。
最終更新プロローグとは、第一章とは切り離して置かれる冒頭の部分で、本筋だけでは手際よく伝えられない情報を届けたり、雰囲気をつくったりするために使われます。プロローグにはいくつかのよくある型があります。本筋の何年も前を描く場面、敵対者の視点からのひとこま、あとになって初めて意味のわかる出来事、そして、物語が時間を巻き戻す前に読者をつかむ、途中から始まる(イン・メディアス・レス)未来の場面です。うまく書かれたプロローグは、一ページ目から読者の関心を深める謎と背景をつくり出します。
名作として知られる作品の多くが、プロローグを効果的に使っています。ジョージ・R・R・マーティンの『七王国の玉座』(〈氷と炎の歌〉第一部、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作)は、冥夜の守人の三人の哨士が〈壁〉の向こうで〈異形〉に出くわす場面で始まり、政治劇としての本筋が始まるはるか前に、超自然の脅威を示しておきます。パトリック・ロスファスの『風の名前』は、静かな宿屋を舞台にした枠物語のプロローグを置き、そのあとに続く壮大な物語とのくっきりした対比を生み出しています。マイケル・クライトンの『ジュラシック・パーク』は、コスタリカで起きた謎の恐竜の襲撃を描くプロローグから始まり、第一幕の科学的な説明に入る前に、すぐさま緊張感を生み出します。
プロローグについて最も大切なルールは、そこにあるだけの理由をもっていなければならない、ということです。エージェントや編集者は、説明の詰め込みをかろうじて取り繕っただけのプロローグや、そのまま第一章に組み込めてしまうプロローグはやめるよう、よく助言します。プロローグは、第一章とは違う視点、違う時代、違う調子のいずれかを含んでいるべきです。そうでなければ、それはただ名前を間違えた第一章にすぎません。ベータリーダーがプロローグを飛ばしても物語の理解に困らないなら、それは削るべきだという強いサインです。プロローグは短く、劇的に、そして読書体験に欠かせないものにしましょう。