用語集

原稿(マニュスクリプト)

エージェント、編集者、出版社に検討のために提出される、完全で書式が整えられた本の本文です。

最終更新

原稿(manuscript)とは、文芸エージェント、編集者、出版社への提出のために整えられた、本の完全で未出版の本文を指します。語源はラテン語の「manu scriptus(手で書かれた)」ですが、現代の出版で「原稿」というときは、制作工程に入る前の、書き手の作品の決定版として機能するデジタル文書のことを意味します。標準的な原稿フォーマット —— 作家ウィリアム・シャンの広く参照されるガイドにちなんで「シャン・フォーマット」と呼ばれることもあります —— は、12ポイントのTimes New Romanまたは同等のセリフ書体、全体ダブルスペース、四方一インチのマージン、著者の姓と短いタイトルとページ番号を入れたヘッダー、そして語数・ジャンル・著者の連絡先を載せたタイトルページを含みます。これらは恣意的な決まりごとではありません。長年の実務のなかで、編集者にとってもっとも読みやすく、注釈を入れやすく、各種の出版工程に流し込みやすい形として固まってきたものです。

原稿の段階は、作家の意識のなかで明確な区切りを担います。下書き(draft)はまだ流動的で、構造、登場人物、場面はすべて変更可能です。原稿(manuscript)はその一段上 —— 完成形ではないにせよ、外部の目に晒すに足るレベルにまで磨き上げられた、まとまりのある作品です。多くの書き手は、自分の作品をクエリーや出版工程に乗せられる「原稿」と呼べるようになるまでに、複数回の改稿、ベータリーダーからのフィードバック、自己編集を経ます。下書きから原稿への移行は、書き手のキャリアにおいて重要な節目です。ここで、自分の文章は批判的な検討に耐えられるという内的な確信が生まれ、外部からの判断にも開かれていきます。

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