文芸エージェント
作家を代理し、原稿を出版社に売り込み、本の契約を交渉するプロフェッショナルです。
最終更新文芸エージェント(literary agent)は、伝統的な出版過程で書き手を代理する専門の代弁者であり、エージェントと契約していない書き手と、本を取得し流通させる出版社のあいだの欠かせない仲介役を担います。エージェントの役割は、本の契約のライフサイクル全体、そしてその先まで及びます。届いたクエリーや原稿を評価し、提出前にプロジェクトを強くするための編集的な助言を返し、本との相性のよい買収編集者を出版社のなかから調査・特定し、競争的な関心を引き出すために複数の編集者へ同時に売り込むこともあり、出版契約の財務・法務条件 —— 印税前払い金、印税率、副次的権利の配分、オプション条項、納本期限 —— を交渉します。本が出版されたあとも、外国語、映画/ドラマ化、音声、舞台、商品化など、副次的権利の販売を続け、印税明細をチェックし、出版社との契約上の紛争があれば書き手の側に立ちます。
文芸エージェントは標準的に、自身が成立させた契約から発生する書き手の収入の15%を国内の販売から、20%を外国版や映画化などのサブライツから受け取ります。書き手はエージェントに前金を払う必要はなく、つまり信頼できるエージェントは契約を成立させない限り報酬を得ない、ということです。読み料を要求したり、不透明な契約を結ばせようとするエージェントは、警戒すべき業界の地雷です。Publishers MarketplaceやAAR(Association of American Literary Agents)のディレクトリを使えば、過去にどんな取引をまとめたかを実績で確認できます。エージェントの選定は、書き手のキャリアにおいてもっとも重要な意思決定のひとつです。優れたエージェントは、契約の条件を交渉するだけでなく、書き手のキャリアを長期的な視点で組み立て、どの作品をどの順番で世に出すかを共に設計してくれるパートナーになります。