用語集

つなぎ(トランジション)

考えと考え、段落と段落、節と節を結び、論理の流れとまとまりを生む語句や文。

最終更新

つなぎ(トランジション)とは、ある考え、段落、節を次へと結び、文章の論理の流れに沿って読者を導く語、句、文、あるいは構成上の工夫のことです。つなぎは、考えどうしの関係を示します。追加(さらに、そのうえ)、対比(しかし、それでも)、因果(したがって、その結果)、順序(まず、続いて)、例示(たとえば、具体的には)などです。つなぎのない文章は、ばらばらな言明が並んでいるように感じられます。つなぎがあれば、考えが目的と方向をもって次の考えへと流れていきます。

熟練した書き手は、さまざまな単位でつなぎを使います。文の単位では、「しかし」の一語が話の向きが変わることを知らせます。段落の単位では、前の段落の結論を受けたり発展させたりするトピック・センテンスが、継ぎ目のない橋になります。節の単位では、それまでに論じたことをまとめ、次に何が来るかを予告する段落がその役を担います。スティーブン・ピンカーは『文体の舞台裏』で、最良のつなぎは目に見えないことが多く、機械的な接続語からではなく、論証そのものの論理構造から自然に生まれると論じています。ウィリアム・ジンサーは『誰よりも、うまく書く』で、「加えて」や「結論として」のような、松葉杖代わりのつなぎに頼りすぎないよう戒め、つながりがおのずと明らかになるほど論理的な順序で考えを並べるよう勧めています。

つなぎを改善するには、段落と段落のあいだの切れ目に注目して下書きを読み直してみましょう。切れ目ごとに、なぜこの考えから次の考えへ移るのかが読者にわかるかを確かめます。つながりが見えにくければ、つなぎの言葉を補う必要があるかもしれません。しかし多くの場合は、考えどうしの関係が外から押しつけられるのではなく、内側から見えてくるように、素材の順序を組み替える必要があります。つなぎの手段は変化をつけましょう。どの段落も「さらに」や「また」で始まると、文章が機械的に感じられます。次の段落で答える問いを投げかけたり、ある段落の最後に出てきた重要な語を次の段落の冒頭で繰り返したりするのが、最も強いつなぎになることもあります。効果的なつなぎは、考えを結ぶだけではありません。新しい考えが出てくるたびに、そうなるしかなかったと読者に感じさせるのです。

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