引用・出典表記
参照した資料の出典を示すこと。原著者の功績を明らかにし、読者が資料にたどり着けるようにします。
最終更新出典表記とは、書籍、論文、ウェブサイト、インタビュー、データセットなど、参照した資料を正式な形で示すことです。原著者の功績を明らかにすると同時に、読者が自分でその資料を探し出せるだけの情報を提供します。学術的な文章やノンフィクションにおいて、出典表記には三つの大切な役割があります。功績を正当な持ち主に帰すこと、読者が主張を検証したり、さらに調べたりできるようにすること、そして自分の仕事をより大きな学問上の議論のなかに位置づけることです。出典を示さなければ剽窃とみなされ、これは研究倫理に対する最も重大な違反の一つです。
引用スタイルは分野によって異なります。社会科学で主流のAPA(アメリカ心理学会)スタイルは、本文中に著者名と発行年を示す方式で、研究の新しさを重視します。人文学で標準的なMLA(米国現代語学文学協会)スタイルは、著者名とページを示す方式で、著者の貢献に重きを置きます。シカゴ・スタイルには、歴史学で好まれる注と参考文献による方式と、自然科学で使われる著者・年方式の両方があります。ブース、コロンブ、ウィリアムズの『リサーチの技法』は、出典表記は単なる形式ではなく、修辞の道具でもあると強調しています。古典的な研究を引けばその分野を理解していることが伝わり、最新の論文を引けば現在の議論に加わっていることが伝わるのです。
引用するときは、可能な限り二次資料より一次資料を優先し、その資料のなかで最も信頼できる版を選びましょう。参照した箇所を読者が正確に見つけられるだけの情報を記します。Zotero、Mendeley、EndNoteなどの文献管理ツールを使えば、資料を整理し、書式の整った参考文献リストを自動で作れますが、出力は必ず自分の目で確認してください。何より大切なのは、引用を本文の流れに自然に組み込むことです。統合も分析もなく引用を並べただけの段落は、書き手が資料を集めただけで理解していないことを示してしまいます。主役はあくまで自分の論証です。引用は、自分の主張を支え、文脈を与え、あるいは問い直すための根拠として持ち込みましょう。