チェックリスト

執筆前チェックリスト:第一章を書く前に決めておくべきこと

最終更新 読了6分

ある火曜日の朝、まっさらな文書を開き、一番上に「第一章」と書いた。そして翌週の月曜日には一万一千語まで書き進めていた。自分はもう止まらないと思った。ところが、主人公が兄と対決する場面に差しかかったとき、この十年で二人が言葉を交わしたのは一度きりなのか、それとも十数回なのか、私はまだ何も決めていないことに気づいた。兄の名前さえ確定していなかった -- 別の章では「ダニエル」と書き、また別の章では「ダナ」と書いていたのだ。まるで自分の指同士が言い争っているようだった。原稿は六週間止まった。「第一章」と書くよりも前にすませておくべきだったことを、一からやり直す羽目になったからだ。

執筆前の準備は、勢いの敵ではない。むしろ勢いそのものを生み出す土台だ。アン・ラモット(Anne Lamott)は『バード・バイ・バード』の中で、判断を挟まずに「くそったれの初稿」を書けと説いているし、私もその考えには完全に同意する -- とはいえ、くそったれの初稿にも、破綻しないプレミス、途中で名前が変わらない主人公、そして物語がどこに向かうのかという大まかな見通しは必要だ。ジョージ・R・R・マーティン(George R.R. Martin)が昔から語る、煉瓦を積む前に設計図を描く「建築家」型と、種をまいてどう育つかを見守る「庭師」型という区分は、いまも頻繁に引用されるが、どちらの陣営にとってもこのチェックリストは役に立つ。建築家には設計図を描くために必要であり、庭師には最初の芽が出る前に、自分がどんな庭を作ろうとしているのかを知るために必要なのだ。

以下の項目には、冒頭の一行を書く前に目を通しておこう。四万語を書き終えてから土台の穴に気づく、という事態を避けるために。

プレミスが、シンプルなテストに合格するか

物語を一文で言い表せる

主人公、目的、障害。この三つを一文に圧縮できないなら、そのアイデアはまだ物語ではなく、雰囲気や設定にとどまっている可能性がある。この段階ではそれで構わないが、二百ページを「なんとなくの感覚」だけで書き進める前に、その違いを自覚しておこう。

プレミスに、本物の問いが含まれている

「何が起こるか」ではなく、「彼女はそうするのか」という問いだ。彼女は彼を許すのか。彼は船を間に合わせて見つけられるのか。生きた問いを欠いたプレミスは、原稿をさまよわせがちになる。読者にも -- そして書き手自身にも -- 問い続けるものが何もなくなるからだ。

結末を、大まかにでも知っている

最後の一文である必要はない。必要なのは結末そのものだ。彼女は望むものを手に入れるのか、そしてその代償は何か。スティーヴン・キング(Stephen King)はアウトラインを信用しないことで有名だが、それでも本人いわく、書き始める前に物語がおおよそどこへ向かうのかは把握しているという。行き先を知ることと、道中のすべての曲がり角を知ることは別物だ -- 今必要なのは前者だけである。

主人公が、ページに触れても崩れない

名前、年齢、そして身体的特徴を一つ、固定してある

実際に見返す場所に書き留めておこう。私の六週間の停滞は、文書ではなく記憶を頼りにしていたせいで起きた。一行だけのキャラクターシートを作るのに十分もかからないが、それだけで本の途中で登場人物の名前を変える羽目にならずに済む。

「欲しいもの」と「必要なもの」の両方が定まっていて、それらが対立している

主人公が欲しいものは、プロットを動かすエンジンだ。主人公が必要としているものは、感情を動かすエンジンだ。E・M・フォースター(E.M. Forster)は『小説の諸相』の中で、読者は驚かされながらも説得力を失わない登場人物を記憶に留めると論じているが -- 「欲しいもの」と「必要なもの」が逆方向に引っ張り合う登場人物こそ、たいていその驚きの源になる。

第一章が始まる前に、主人公の「傷」を言葉にできる

その恐れの形を説明づける、過去の何かのことだ。一ページ目で読者に説明する必要はないし、直接的には最後まで明かさなくてもいい。だが書き手自身は知っておく必要がある。そうすれば、主人公が下すあらゆる選択の裏に、理由が通ることになる。

世界観が、成立するだけのルールを備えている

時代と場所が、曖昧にせず決まっている

実在する都市でも架空の都市でも、実在する年代でも架空の暦でも構わない -- ただし「いつかどこかで」というあいまいさは、押し返す相手のいない文章を生みがちだ。具体性を持たせるのにコストはかからないし、それが以降のすべてを変えることになる。

作り上げたシステムには、一文で言い表せる代償がある

魔法、テクノロジー、司法制度、企業の階層構造 -- 物語が何に依存していようと、それを使うのにどんな代償を払うのか、そして何ができないのかを把握しておこう。ブランドン・サンダーソン(Brandon Sanderson)はまさにこの原則の上にキャリアを築いてきた。この原則が機能するのは、制限がプロットを生むのに対し、無制限の力は単なる便利さしか生まないからだ。

動き出すのに十分な、構成がある

三つか四つの大きな転換点が、下描きされている

発端となる出来事、中間点、危機、クライマックス。それぞれ一文で十分だ。ここで作っているのはアウトラインではなく、そこへ向かって歩いていくための、いくつかの支柱にすぎない。

視点と時制を、意図的に選んである

一人称でも三人称でも、過去形でも現在形でも構わない -- どちらを選ぶかより重要なのは、一ページ目で何となく楽な方に流されて、九十ページ目で後悔するのではなく、意図を持って選んだという事実そのものだ。

まだ使わないものを、置いておく場所がある

どんなプロジェクトからも、はぐれたアイデア、削ったシーン、まだ使う準備ができていない資料が生まれる。それらをどこに置くかを今のうちに決めておけば、原稿を散らかしたり、最悪の場合、消えてしまったりすることを防げる。断片やメモ専用のフォルダを作ることは、あの六週間の停滞のあとに身についた、もっとも役に立つ習慣だ。

実務的な準備が、整っている

一日の執筆目標が、実際の生活に見合っている

三千語が自分に合わないなら、一日五百語でいい。建築家のフランク・ゲーリー(Frank Gehry)は、設計図を完成させないまま建設を始め、残りはプロセスに任せて明らかになるのを信じる、と語ったことがある -- それでも彼は、最初の梁を上げる前にスケジュールだけは決めている。あなたも自分のスケジュールを決めよう。

原稿がどこにあり、どうバックアップされているかを把握している

一つの明確な保存場所に、自動で同期またはバックアップされている状態にしておこう。ノートパソコンのクラッシュで一章分を失うのは、解決可能な問題であるにもかかわらず、あまりに多くの書き手が一度だけ、痛い目に遭ってから解決している。

ここまでの作業は、午後のひとときがあれば十分終わる。実際に書くことの中でしか起きない発見の代わりにはならない -- 「考えるだけで一冊を完成させることはできず、書くことでしか辿り着けない」というラモットの言葉は、今も正しい。しかしここに午後のひとときを費やすかどうかが、自分の小説を発見できるか、それとも名前がころころ変わる兄のせいで六週間を失うかの分かれ目になる。プレミスが固まったうえで転換点をさらに掘り下げたいなら、小説プロジェクトの立ち上げ方についての別記事で、初期原稿が散らからないためのフォルダ構成を扱っている。また、あなたがそういうタイプの書き手であれば、アウトライン手法のガイドが、これらの支柱から完全なアウトラインへと導いてくれるはずだ。

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