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キャラクター・プロフィール・テンプレート

最終更新 読了7分

平板な人物は物語を沈めます。プロットがどれほど独創的でも、世界がどれほど鮮やかでも、そこに暮らす人々が、身の上話をホチキスで留めただけの書き割りのように見えたら、読者の心は離れていきます。すぐに忘れられる人物と、何年も読者の心に残る人物との差は、たいてい奥行きにあります。表面的な説明の下にいるこの人が何者なのかを、書き手がどれだけ理解しているかです。

このキャラクター・プロフィールのテンプレートは、基本情報の先まで踏みこむために作りました。もちろん外見や経歴も扱います。けれども、人物の内側の構造、つまりその人を突き動かす信念、人間らしさを生む矛盾、本当の姿を浮かび上がらせる人間関係にも順に触れていきます。主人公にも、敵対者にも、物語で大きな役割を担う脇役にも使ってください。

セクション1:基本情報

人物が存在するうえでの事実です。プロフィールのなかで最も埋めやすく、それだけでは最も重要度の低い部分ですが、ほかのすべてを積み上げる土台になります。

人物の基本

  • フルネーム:あだ名や別名も含めましょう。その名前は、出身、時代、文化について何を物語っていますか?本人は自分の名前を気に入っていますか?自分で選んだ名前ですか?
  • 年齢:ただの数字ではありません。人生のどの段階にいて、それが世界の見方をどう形づくっていますか?25歳と60歳とでは、喪失の受け止め方が違います。
  • 性別と一人称:本人は自分の性自認とどう向き合っていますか?それは安心のよりどころですか、葛藤の種ですか、それともふだんほとんど意識しないことですか?
  • 職業:何をして生計を立てていますか?それ以上に大事なのは、それが本人のやりたいことなのかどうかです。仕事と天職のずれは、人物について多くを語ります。

見た目と存在感

  • 外見:髪の色や身長の先まで考えましょう。どんな身のこなしをしますか?周りの人がまず気づくのは何ですか?本人が隠したがっているもの、目立たせたがっているものは何ですか?
  • 際立った特徴:傷跡、癖、しぐさ、笑い方、部屋への入ってき方。名札がなくても誰だかわかる、そういう細部です。
  • 健康と体の状態:日々の暮らしや物語の出来事に影響する持病、けが、体にまつわる事情。

セクション2:性格と心理

ここから、人物は説明書きではなく、ひとりの人間になり始めます。目指すのは、その人の決断を動かしている内側の理屈、つまりある道ではなく別の道を選ばせる、考え方と感じ方のパターンを理解することです。

中心となる性格

その人を特徴づける性格を3〜5つ挙げます。それぞれについて、長所としても短所としてもどう表れるかを書きとめましょう。とことん義理堅い人は、愛する人の欠点から目をそむけてしまう人でもあります。容赦なく正直な人は、悪気なく相手を傷つけてしまう人でもあります。優れた性格づけは、もろ刃の剣です。

価値観と信念

この人物は、世界について、他人について、自分自身について何を信じていますか?抽象的な哲学ではなく、行動を左右する原則です。「自分以外は誰も当てにできない」「努力は必ず報われる」「人間はしょせん自分勝手だ」。こうした信念は、人物が物語のあらゆる出来事をどう受け取るかを左右するフィルターになります。その信念が揺さぶられたとき、人物のアークが始まります。

恐れと不安

夜も眠れなくなるほど気にしていることは何ですか?クモや高い所といった表面的な恐れではなく、生き方にかかわる恐れです。忘れられること。親と同じような人間になること。自分が平凡だと思い知ること。人物の最も深い恐れは、たいてい物語がその人に向き合わせるものです。

矛盾

現実の人間は矛盾を抱えています。かっとなりやすい平和主義者。気前はいいのに、弱みを見せることにはけちな人。いつか自分の見立てがはずれることをひそかに願っている皮肉屋。人物のなかに、大きな矛盾を少なくともひとつ見つけましょう。そこが圧力のかかる点であり、ドラマが生まれる場所です。

セクション3:過去と人格を形づくった体験

過去の設定は伝記ではありません。人物の人生を一年ごとに記録する必要はありません。必要なのは、いまのその人をつくった瞬間です。物語のなかでその人を突き動かす信念、恐れ、行動のパターンを植えつけた体験です。

心の傷

心をつかむ人物の多くは、人格を形づくった傷を抱えています。たとえ間違った教訓であっても、世界について何かを教えこんだ体験です。この傷が、人物の中心にある思いこみ(K・M・ワイランドが「人物が信じている嘘」と呼ぶもの)の起源になります。傷は漠然とした状態ではなく、具体的な出来事や時期として決めましょう。「つらい子ども時代を過ごした」より「12歳のときに父親が家を出ていった」のほうが、ずっと役に立ちます。

ゴースト

ゴーストとは、物語の現在まで人物につきまとう記憶や、まだ片のついていない状況です。傷そのものの場合もあれば、傷から育ったものの場合もあります。物語が始まる時点で人物がいまだに逃げ続けているもの、直そうとしているもの、間違いだったと証明しようとしているもの、それがゴーストです。

過去の大切な人間関係

物語が始まる前に、この人物を形づくったのは誰ですか?親、師匠、恋人、ライバル、裏切った友人。過去の大切な関係ごとに、人物がそこから何を学び、それがいまの行動にどう影響しているかを書きとめましょう。

技能と教育

正式に習ったにせよ独学にせよ、人物は何ができるようになりましたか?技能はその人の過去を映します。錠前を開けられる人物と、シェイクスピアをそらんじられる人物とでは、たどってきた過去が違います。何ができるかだけでなく、それをどうやって身につけたかも書いておきましょう。

セクション4:物語のなかの人間関係

人物は、ほかの人物とのかかわりのなかに存在します。無人島にひとりきりの主人公でさえ、置いてきた人間関係によって形づくられています。このセクションでは、人物が物語のほかの人々とどうつながり、そのつながりが何を明らかにするのかを整理します。

主な人間関係

物語のなかの大切な関係ごとに、次の問いに答えましょう。

  • 相手は誰で、どんな関係ですか?
  • 人物はこの関係に何を求めていますか?
  • この関係が実際にもたらしているものは何ですか(求めているものとは違うかもしれません)?
  • ふたりのあいだの緊張や対立の種は何ですか?
  • この関係は、人物のアークをどう映し出し、揺さぶり、あるいはややこしくしていますか?

力関係

どんな関係にも、より大きな力を持つ側がいます。社会的な力、感情的な力、経済的な力、身体的な力。人物と周りの人々との力関係を整理すると、対立や動機の隠れた源が見えてきます。人前では目上の人に従うのに、陰では腹の虫がおさまらない人物は、自分のアークについて何かを語っています。

セクション5:キャラクターアーク

このセクションでは、キャラクター・プロフィールを物語の構成につなげます。静止した肖像が、動いていく道筋に変わるところです。

嘘(思いこみ)

物語の始まりで人物が抱いている誤った信念を書きます。本人が実際に心のなかで思ったり口にしたりしそうな一文にしましょう。「誰かを近づけたら、その人はいずれ去っていく」「完璧でなければ、愛される資格はない」「世の中は誰かが得をすれば誰かが損をする」。この嘘は、セクション3の心の傷から筋道立てて育ってきたものであるはずです。

真実

物語の終わりまでに人物が学ぶべき真実(ポジティブ・アークの場合)、あるいは学びそこねる真実(ネガティブ・アークの場合)を書きます。真実は、嘘とテーマの上で対になるものです。

望むもの(ウォント)と必要なもの(ニード)

ウォントは、人物が意識して追いかける外向きの目標です。殺人事件を解決する、大会で勝つ、昇進する。ニードは、本当の意味で満たされるために必要な内面の成長で、ウォントと一致することもあれば、しないこともあります。ウォントとニードのあいだの緊張が、キャラクターアークの原動力です。

アークの道筋

物語を通じて人物がどう変わるか(あるいは変われないか)を大まかに描きましょう。嘘が揺さぶられる大きな転換点、人物が真実に抵抗したり受け入れ始めたりする場面、そして最後の変化(あるいは変化の拒絶)が起きる地点を書きとめます。

セクション6:口調としぐさ

この人物は、どんなふうに話しますか?すべての物語が一人称で書かれるわけではありませんが、三人称であっても、話し方、語彙、言葉の癖は、人物を描き分け、性格を伝えるための強力な道具です。

  • 話し方:長くまわりくどい文で話しますか、それとも短く言い切りますか?専門用語、若者言葉、改まった言葉づかいを使いますか?方言や敬語はどう使い分けますか?汚い言葉を使いますか?それとも、あからさまに避けていますか?
  • 言葉の癖:決まり文句、口癖のようなつなぎ言葉、話をはぐらかす言い方や、真っ向から向き合う言い方。質問に質問で返す人物は、弱さとの付き合い方について何かを語っています。
  • 心の声:この人物の視点で書くなら、その考えはどう聞こえますか?心のなかの独白は、口に出す言葉と違っていますか?そのずれ自体が、人物を描くひとつの手段になります。
  • 身ぶり:感情を体でどう表しますか?どんな会話でも腕を組む人物と、身を乗り出す人物とでは、与える印象が違います。この人の存在感を決める、いつもの姿勢、しぐさ、体に出る本音のサインを書きとめましょう。

このテンプレートを自分の作品に合わせるには

すべての人物について、すべてのセクションを同じ細かさで埋める必要はありません。必要に応じて、次のように使い分けましょう。

  • 主人公の場合:すべてのセクションを埋めましょう。このプロフィールに書いたことの9割が原稿に出てこなくても、この人物のことは隅々まで知っておく必要があります。その奥行きは、文章ににじみ出ます。
  • 敵対者の場合:少なくともセクション1〜5は埋めます。敵対者が薄っぺらく感じられる最もよくある原因は、書き手がその動機を理解する手間を惜しんでいることです。敵対者には、本人の側から見て筋の通った心の傷、嘘、ウォントが必要です。
  • 脇役の場合:セクション1と2、それにセクション4のその人物の欄を埋めます。書いているうちに重要度が増したら、あとから書き足せます。
  • 群像劇の場合:主要な人物ごとにプロフィールを作り、プロフィールどうしで人間関係のセクション(セクション4)を照らし合わせましょう。浮かび上がるつながりの網から、思いもしなかった抜け、重複、対立の種が見えてきます。
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